脱税事件でチュートリアルの徳井義実さんがかなり騒動になっていますね。
そして、この事件の内容を見ていると度々目にするのが『株式会社チューリップ』という名前。
徳井義実さんが所有する株式会社のようですが、税金に関する知識があまりない人からすれば
え?何で徳井さん会社なんて持ってるの?
だって吉本興業に入ってるんじゃないの・・・?
なんで会社なんて作るの?独立してたの?
なんてこんな疑問だらけだと思います。
今回はそんな人に向けて、株式会社チューリップを作った目的やどんな会社なのか?
それらについて詳しく、あまり税金に詳しくない人でも詳しく解説したいと思います。
目次
初めに・・・今回の徳井義実の脱税事件のまとめ
脱税の経緯
まず初めに、今回の脱税事件についての一連の流れをまとめてみました↓
①「株式会社チューリップ」は、2009年に設立された。
②「チューリップ」は設立以来9年間、一度も定められた期限内に会社の所得を税務申告していなかった、3年ごとに税務署からの指摘を受けた後、申告。
③納付についても、再三にわたる税務署からの督促にもかかわらず、手続き怠慢で行わず、16年5月頃に銀行預金を差し押さえられることになったという。
④チューリップ設立以降全年において社会保険にも未加入
ここまで大胆な脱税は珍しい
青汁王子とかいうクソ犯罪者の遠吠え
青汁は14億4千万円納税、約1億8千万円の脱税容疑で殺人犯のように叩かれ一発有罪
徳井さんは税金を1円も納税せず、約1億2000万円の申告スルーと2000万円の所得隠しで悪質ではない認定(2回目)
もう前世で何かしたんじゃないかってレベルでごめんなさい、しにたい
— 三崎優太(Yuta Misaki) 元青汁王子 (@misakism13) 2019年10月25日
今回の事件について税金の『申告漏れ』こんな風に報道されていますが、単なる『脱税』と言える事案。
普通はこういった事案で税務署から指摘される人は経費等で収益を過少にして誤魔化すなど、色んな工夫をしてのことですがここまで単純で悪質なのは珍しいのでは?そんな風に思います。
先日同じように脱税の事案で逮捕された青汁王子こと三崎優太さんですら、納税をしっかりしての逮捕だったので、今回の徳井義実さんについてはそれ以上の事案。
正直逮捕され、裁判になってもおかしくないような深刻な事件でもあります。
思ったよりもこれ酷いな。国税もよく許してるな。 https://t.co/iKkSzhynIc
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2019年10月26日
徳井義実の株式会社『チューリップ』って何目的で作られたの?
さて、話を戻しますが、今回の報道でよく耳にする『株式会社チューリップ』
この会社は徳井さんは一体何のために、作ったのか?詳しく説明していきましょう。
『節税』するため
結論から言うと、この徳井義実さんの所有する株式会社『チューリップ』というのは『節税』するために作られたものであり、この事務所を通して何か仕事を引き受けたりをしているわけではありません。
まあいわゆる『ペーパーカンパニー(書類上の会社)』と呼ばれるものでしょう。
しかし、普段会社などに勤められている方は、そもそも『節税』って何ですの?なんて心境ではないでしょうか。
そうですよね。この税金にまつわることは普段会社に勤めていると、自ら納税をする必要はないのでこのような知識がないことは当たり前。
今回の事件も税金に関する知識があまりなければ少し理解が難しいお話です。
ということで、今回の徳井義実さんの脱税事件を少し詳しく理解するために、少しだけ税金の知識を挟みながらご紹介していきましょう。
馬鹿高い日本の個人事業主における所得税及び住民税
そもそも大前提として、会社に属していない個人事情主と呼ばれる人たちの給料体系はこうなります。
徳井義実さんの場合も吉本興業という会社に属してはいますが、実態としては「雇用契約」ではなく自身のマネジメントを芸能プロダクションに委任する「委任契約」であるため個人事業主とみなされ、芸人さんは吉本興業から事業収入(報酬)を受け取っていると解釈されます。
そして、税金の計算方法は以下の通りです↓
①収入(徳井さんの場合は事務所と折半なのでに引かれた手取り)ー経費(仕事に関連する費用)=利益
②この利益から→税務署に支払う税金(所得税及び住民税)を税率によって計算
かなりおおまかですがこうなります。
しかし、この個人事業主における所得税及び住民税にはすごく大きなデメリットがあるのです。
それが『稼げば稼ぐほど税金で持っていかれる』ということ。
こちらは個人事業主における税率ですが、稼げば稼ぐほど、かなりその税率は上がっていきます。
個人事業主で4000万円を越えると税率がなんと45%・・・汗
ほぼ半分近く税金で持っていかれる計算になります。
今回の徳井義実さんの場合も4000万円以上の利益はあるでしょうから、個人事業主として活動しておくことは税金の面で損しかないのです。
会社を作る(つまり法人化する)ことで払う税金が安くなる
そこで・・・登場するのが『法人化』です。
法人化とは、簡単に『会社を作ること』です。
会社を作るといっても、何かそこで何か仕事を引き受けたり経済活動をしなければいけないということはありません。
そして、その会社を作る「会社設立」だけであれば約6万円のお金と契約書類の紙切れのみで会社を作れてしまいます。(株式会社なら最低で15万円、合同会社なら6万円)
<参考:法人税の税率>
・利益が400万円以下の部分=約21.4%
・利益が400万円超~800万円以下=約23.2%
・利益が800万円超=約34.3%
この法人化をするメリットは主に2つ。
①経費の幅が広がる(自宅の家賃をほぼ全額などなど…)
②法人税率が適用され税率が低くなる(つまり持っていかれるお金が少なくなる)
そして、このように法人化して払う税金を安くすることを『節税』と言います。
『節税対策』という言葉は税金に詳しくない人でも一度は聞いたことがあるでしょう。
この会社を作ることは『節税対策の一つ』と言えるわけです。
つまり、徳井義実さんが吉本から独立して仕事をしているわけではなく、『節税』のために『チューリップ』という会社を作ったわけなのですね。
お金の流れで説明すると、ギャラが吉本興業にまず振り込まれ、徳井義実さんに吉本の分が引かれた額が今までそのまま徳井義実さんの口座に振り込まれていたものが、徳井義実さんの『株式会社チューリップ』の口座に振り込まれる。
だから、『実質会社が所得を得る』という認識になり法人税が適用されるのです。
また、法人化のメリット(つまり税金を安くできる)分岐点は年間500万円以上の利益と言われています。
徳井義実さんの場合は、会社を作ることはメリットしかなかったことでしょう。
多くの有名人も個人会社を設立し節税している
そして、この節税というのは凄くお金の亡者がやる方法。
そんなイメージがありますが、れっきとした『合法』の手段であり、何も悪いことではなく、むしろ賢い行動と言えるでしょう。
そして、この『個人事務所(会社)の設立による節税』は、何も徳井義実さんだけでなく多くの芸能人もこの方法で税金を支払っています。
だからこそ、今回の徳井義実の脱税は悪質であり悪意がある
さて、一通り、なぜ?徳井義実さんがチューリップという会社を設立したのか?そして何をしている会社なのか?
という税金面の説明をしたところで話を戻しましょう。
ここまで説明を聞くと、徳井さんの件については『税金を払うことを知らなかった』『認識が甘かった』という理由は矛盾していることがわかるでしょう。
『節税のために自ら会社を作る』という行動は『税金に対する意識が高い』という表れであり、その税金に対する知識も豊富なことも物語っています。
そういった上で、税金を払わない。ということは極めて悪質であり、冒頭でもお伝えした通り、ここまで大胆な事案はあまり見かけないのではないでしょうか。
アンガールズの田中さんが「納税の能力だけ奪われた人としか思えない」
こう意見を述べているように、「ルーズを越えてよく分からない」というのが今回の徳井義実さんにまつわる事件の率直なな個人的な感想でもあります。
一体徳井義実さんはどんな考えでの今回の事件に至ったのか…?
謎は深まるばかりですが、自身の納税に対する意識を見つめ直し、今後の進退について考えてもらいたいと思います。