近年の日本の夏。
あれ?何かがおかしい・・・?
あなたはそんなことを思っているのではないでしょうか。
そう、昔は珍しかった35度を超える猛暑日が当たり前のように連発。
これにより熱中症で命を落とす人も多発。
夏は暑いのはわかるけどさすがに暑すぎないか・・・?
というかなんか年々夏が暑くなってない・・・?
日本ってこのままじゃやばいんじゃ….
なんてあなたも思っているのではないでしょうか。
そんな日本の夏の暑さの異変を感じているあなたに・・・
今回はその真相について詳しくお伝えしたいと思います。
目次
日本の夏は年々暑くなっている気がする・・・
記憶に新しい2018年の猛暑、ついに40度を超える地域まで・・・
記憶に新しい2018年の猛暑の夏。
2018年7月23日 -に埼玉県熊谷市で日本歴代最高となる41.1℃を観測。
また東京都青梅市では40.8℃を観測し都内観測史上初の40℃超え。
また岐阜県多治見市でこの年2度目の40.7℃、山梨県甲府市で40.3℃を観測。
242地点で猛暑日となり、全国21地点で観測史上最高気温を記録した。
まさに記録的な夏でした(悪い意味ですが….)
この夏を経験する前からも、年々その猛暑日の多さを体感的に感じている人も少なくはないでしょう。
20〜30年前は扇風機だけで過ごせたなんて言う声も
というのも、年を多く生きている方ならなおさらその変化を感じていることでしょう。
「昔は扇風機だけで夏を過ごせた」なんていう大人の意見も多数。
確かに、日本の夏の風景って縁側で窓を開けて扇風機の風を浴びながら心地よくお昼寝。
なんていう風景が定番でしたが、いつしかそんな風景は過去のもの。
今はクーラーをつけないと命の危険性がある。
それぐらい暑い日が多く続くようになりました。
今の暑さって本当命に関わる😵
昔と暑さレベルが違う
子供の頃田舎だから縁側を開け放ち
扇風機で充分だった
クーラーはお客様来た時だけ🤣
あんな夏はもう味わえないのか😰
この先どうなるのか毎年不安になる
日傘と帽子はもうファッションじゃなく命を守る必需品
男性も日傘差してね
涼しいですよ— キャバリア👑 (@BUqxvZmBZKZbfEE) 2019年8月7日
それにしても暑い(x_x)発火するんじゃないかと思うレベル。昔は扇風機だけで夏乗り切ってたけど今は無理。
— ちわ (@k2dragons3k) 2019年8月2日
昔と変わったなぁと思う事は、夏の過ごし方です。
子供の時は家の中で扇風機だけで過ごせたのに、今はクーラーが無いと暑くて過ごせません!温暖化ですね〜— のの (@Nono192kuma) 2019年8月1日
実際に日本の夏は暑くなっているという事実
さて、そんな体感でも「暑くなった」と感じる日本の夏。
実は、実際にデータ上でも暑くなっているというのは証明されているのです。
今からそのデータを詳しくご紹介しましょう。
100年で1℃上昇した日本の平均気温
出典:気象庁「気候変動監視レポート2017」
こちらの図をご覧ください。
こちらは全国地球温暖化防止活動推進センターのウェブサイトから引用した図です。
1900年ごろから2017年の約100年の間の日本における平均気温の推移です。
右肩上がりに今も上がり続け、100年の間に1℃ほど上昇していることがわかります。
意外にあまり上がってない。なんて思うかもしれませんが、人によっては相当体調に影響があるほどの温度差です。
そして、その温度も今も上がり続け、100年後にはさらにその温度が上がり続けることは確実視されています。
真夏日や猛暑日も増えている
暑くなったと体感できる一番の確認方法は、この30度以上で呼ばれる「真夏日」、35度以上で呼ばれる「猛暑日」
このような日が増えたことではないでしょうか。
上のグラフは東京の過去100年以上前の1876年から2018年の一定期間における「真夏日」や「猛暑日」の回数をグラフ化したもの。
パッと見ただけで、その回数は多くなっていることは分かりますよね。
また、日本全体でこの「真夏日」や「猛暑日」の回数が増えていることを証明するために、東京以外の地方(岐阜・高松)のグラフも参考にしてみました。
このような地方でも右肩上がりに増えていっていることが分かりますね。
このことから、体感だけでなく、データでも「日本の夏がどんどん暑くなっている」ことが確認できます。
多くの日本国民も、この肌で体感できる「真夏日」や「猛暑日」の増加を感じることにより、「日本の夏が年々暑くなってきている」そんなことを考えるきっかけになったことでしょう。
日本の夏が年々暑くなるのはなぜ?その一番の原因は「地球温暖化」
さて、ではなぜ?一体日本の夏は年々暑くなっているのか?
その理由をお伝えしていきましょう。
ズバリ、その大きな理由は「地球温暖化」にあります。
一度はあなたも耳にしたことのあるであろうこの地球温暖化。
これは単なる環境問題でよく出てくる一用語ではなく、今回の夏が年々暑くなっている最も大きな原因と言えるでしょ。
地球温暖化の大きな原因は温室効果ガス
そして、では一体、なぜ?そもそも地球温暖化になるのか?
その一番大きな原因となるのが「温室効果ガス」です。
温室効果ガスとは、人間活動によって増加した温暖化に影響を与えうる大気中の気体のこと。
主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。
そして、温室効果ガスの大部分を占めるとされるのは二酸化炭素。
この二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスでもあります。
そして、この二酸化炭素はおもに化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)を燃焼させると発生します。
例えば、私たちの生活に不可欠な電気などのエネルギーを作るには、大量の化石燃料が使われており、大量の二酸化炭素が排出されています。
また、自動車に乗れば化石燃料であるガソリンを燃焼させるので、ここでも二酸化炭素が発生します。
(エアコンや冷蔵庫に冷媒として使われているフロンや、生ゴミや水田などから出るメタンなども温暖化の原因となる温室効果ガスです。)
つまり私たちの生活が、エアコン、テレビ、冷蔵庫など、たくさんの電化製品に囲まれ、自動車ですきなところへいつでも行けるような、便利なものになればなるほど、地球上には大量の二酸化炭素が排出されることになり、地球温暖化を加速させているのです。
こちらの図は、1971年から2013年までの世界における温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量の推移ですが、年々右肩上がりに上がっていることが分かります。
これからもこの推移はどんどん右肩上がりで伸びていくことでしょう。
温室効果ガスが増え、太陽の熱を宇宙に逃げにくくしている→地球温暖化
ではこの温室効果ガスは具体的にどのように地球温暖化の原因になっているのでしょうか?
その前に、一つ頭に入れておきたいのが、そもそもこの温室効果ガスとは、人間が作り出した悪い気体のようなものではなく、もともと地球の周りに存在し、適度な量で取り囲んでいます。
そして、これらの温室ガスは同時に「地球を太陽熱からちょうど良い温度で保つ」ための役割を果たしていたのです。
温室効果ガスが適度にあった時には、地球とのバランスが上手く取れていて、地球の温度は生き物にとってちょうど良い温度で保たれていたのです。
しかし、近年この温室効果ガスが増えてきて、昔よりも太陽の熱がうまく地球に逃げにくくなり、地球の温度が上がってきたということですね。
イメージでいうと、エアコンが地球だとしたら、エアコンのフィルターに埃がたまってうまく空気が部屋内に放出できない。そんなイメージではないでしょうか。
近年の異常気象も地球温暖化が原因?
また、そんな温暖化を引き起こす主因とも言える温室効果ガス。
それは、地球の温度を上げるだけではなく、「異常気象」をも発生させる原因になりえます。
それが近年多発する「豪雨」が大きな代表例でしょう。
気温の上昇によって空気中の水蒸気量が増え,「大気が不安定になる」ことで、このような豪雨を発生させるのです。
また、それだけでなく記憶に新しい2018年の記録的猛暑の主な原因は「ダブル高気圧」が原因と言われています。
そもそもの晴れの日が訪れる理由に高気圧にあります。
日本の上空が高気圧で覆われていることで、晴れた日がやって来ます。
そして、日本の夏は夏の高気圧と言われる太平洋から来る高気圧に広く覆われることで、、おおむね晴天が長く続きます。そして、毎日暑いです。(この高気圧によって夕立など局所的な天気の崩れも同時にあります)
本来の夏であれば、日本は太平洋側から来る高気圧に覆われるのですが、2018年はチベット高気圧という2つのが 日本に重なって停滞しているせいで、強い日差しとともに、上空から熱波が降り注いでいた。
だから、猛暑が続いたわけなんですね。
このように、地球温暖化はただ単に、地球全体の温度を上げるだけではなく、突発的な異常気象を引き起こす要因にもります。
もちろん、この記録的猛暑が地球温暖化が原因という因果関係は専門家ですら断定は難しいです。
しかし、異常気象が起こるのは、主には大気や海の不規則な自然の変動のせいと言われており、大気に多大な影響を与える地球温暖化はこのような異常気象を引き起こす要因に十分なりえます。
気象研究所と東大・大気海洋研究所、国立環境研究所のチームは、工業化が進んだ1850年以降、温室効果ガスの増加がまねいた地球温暖化が、昨年の記録的猛暑にどのような影響を与えたかについて、さまざまなシミュレーションを実施。
実際の気候条件と、温暖化がなかった場合の気候条件で比較したところ、気温が2018年7月の値を超える確率は、実際の条件では約20%だったのに対し、温暖化がなかった場合はほぼ0%と推定された。つまり昨年の猛暑は、温暖化がなければ起こり得なかったことを意味している。
東京や大阪などの都市部では「ヒートアイランド現象」の要因も加わる
ここまでは、なぜ?日本の夏が年々暑くなっているのか?
という日本全体で見た大きな要因を説明してきました。
しかし、特に東京や大阪の都市部の近年の夏の猛暑は温暖化以上にこの「ヒートアイランド現象」が大きな要因と言われています。
ヒートアイランド(heat island=熱の島)現象とは、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のこと。
気温の分布図を描くと、高温域が都市を中心に島のような形状に分布することから、このように呼ばれるようになりました。
温暖化よりも深刻な都市部のヒートアイランド現象
日本はここ100年で平均1度の温度が上がっていると先ほどお伝えしましたが、東京に関しては約3度も上がっているというデータもあります。(夏は平均で2度強、冬は約4度ほど平均気温が上昇)
大阪の状況も東京とほぼ変わらず。夏は2度ほど、冬は2,5度前後と、東京よりもいずれも抑え気味だが、平均気温は上昇しているのです。(いずれも統計期間は1927年から2018年)
この都市部の生活空間における温度上昇は9割がヒートアイランドによるものとも言われており、むしろ地球温暖化の影響に比べて、ヒートアイランドの方が圧倒的に大きいのです。
なので、地球温暖化とヒートアイランド現象は度々同じように認識されがちですが、この2つは全く異なる要因。
なので、都市部における酷暑はヒートアイランド現象によるものと認識すべき必要があります。
ヒートアイランド現象の原因は高層ビルやアスファルト
では、一体なぜ?ヒートアイランド現象が起こるのか?
その原因は大きく分けて2つあります。
一つ目はアスファルトなどで覆われた道路や高層ビルが増えてきたこと。そして、それによる緑の減少。
草地、森林、水田、水面等の植生域は、アスファルトやコンクリート等による人工被覆域と比べて保水力が高いと言われています。
そのため、水分の蒸発による熱の消費が多く、地表面から大気へ与えられる熱が少なくなるため、主に日中の気温の上昇が抑えられます。
しかし、その反対にアスファルトなどの人工被覆域は、植生域と比べて日射による熱の蓄積が多くまた、暖まりにくく冷えにくい性質があります。
そのため、日中に蓄積した熱を夜間になっても保持し、大気へ放出することになるため、夜間の気温の低下を妨げることになります。
それに加えて、都市で建築物の高層化及び高密度化が進むと、風通しが悪くなり地表面に熱がこもりやすくなることにより、さらに気温の低下を妨げることになります。
二つ目は人口の密集化・人口建造物の増加に伴うエネルギー放出の増加(車や電気)したこと。
人々が集まる都市部というのは、裏返すと、それだけ経済活動が行われているということ。
車もたくさん走りますし、オフィスではたくさんの電気が消費されます。
そして、それらの熱はアスファルトで覆われ、高層ビルが並ぶ都市が故に、その熱は逃げづらいということ。
つまり、簡単にまとめるならば、高層ビルが立ち並ぶことで、風通しが悪くなり、ビルやアスファルトによって町全体に熱がこもりやすくそれに加えて車や電気など、自らも消費した熱も町全体にこもってしまっている状態。なのです。
都市部に住んでいる人で夏がだんだん暑くなっている。
そう感じている人は、実は温暖化よりも、ヒートアイランド現象により夏がだんだん暑くなっている。
実はそんなカラクリがあるのですね。
日本の夏が年々暑くなっている原因は様々な原因が折り重なる
日本が年々暑くなっていることはデータにも現れている通り、まず間違いありません。
そして、その原因もほぼほぼ「地球温暖化」「ヒートアイランド現象」この2つが大きな原因でしょう。
もちろん、これは確実な証明というわけではなく、様々な要素が重なり合い、この猛暑を生み出しているわけですが、その根本には「地球温暖化」があることは非常に可能性は高いでしょう。
日本はこれからも年々夏が暑くなっていく確率は非常に高いわけですが、臨機応変に夏を過ごしていきたいですね!