2019年12月の後半に2020年の東京オリンピックの聖火ランナーが発表されましたね!
しかし、多くの人がその走者一覧を見て「芸能人ばっかりじゃない・・?」そんなことを思ったのではないでしょうか?
今回は、そんな疑問を解消するために聖火ランナーはなぜ芸能人ばっかりなのか?その理由や背景について詳しくお伝えしていきたいと思います!
目次
芸能人ばっかり!?聖火ランナーの発表で感じる違和感
東京オリンピックの聖火ランナーの発表を見て驚いたであろうその芸能人の数。
総勢88人という人数・・・
失礼だけど、ちょっと売れてるだけの芸人さんやタレントさんなんかも名前を連ねており、芸能人だけなんでそんな簡単に選ばれるの!!これじゃ24時間テレビじゃないか〜!(笑)
なんて思ってしまうはず。
アマチュアの祭典であるオリンピックにそんな芸能人ばっかり参加したらそんなムードをぶち壊し!そう思ってしまう人は多いことでしょう。
吾が輩は叫ぶ‼️
聖火ランナーは各県の地元の子供達を走らせ〰️‼️
芸能人多すぎ〰️‼️
聖火リレーに客寄せパンダはいら〰️ん‼️— 鏡 正美 (@machamirror) December 21, 2019
五輪の聖火ランナーが決まった、うちの子は残念ながら落選。走る人を見たら、結構、芸能人枠?有名人枠が多いな。
— あぅと (@auto1154) December 18, 2019
聖火ランナーがなぜ芸能人ばっかり?それは実は勘違いだった?
しかし、まず結論からお伝えしましょう。
芸能人ばっかりというのは実は勘違いであり、実は一般人もこの聖火リレーには多数参加します。
参加者の総勢は1万人
勘違いしてはいけないのが、聖火リレーの参加者は総勢1万人以上参加します。
公表されているのが芸能人や著名人であって、その裏には九千人以上もの一般人の参加者が存在するのです。
なので、芸能人ばかりが発表されているので、芸能人ばかりじゃない?なんて思ってしまいますが、それは単なる思い込みに過ぎないということですね。
応募枠の種類
では、ここからさらに話を掘り下げていく上で、聖火ランナーを決定する上で一体どのような先行の方法があったのかをおさらいしてみましょう。
聖火ランナーの応募枠には主に2つに分かれており、スポンサー企業枠と都道府県枠があります。
大会スポンサーである「コカコーラ」「トヨタ自動車」「日本生命」「NTT」この4つのスポンサー枠と地方字自体の酵母によって選ばれる都道府県枠があります。
2つの枠の人数の割合は?
このスポンサー枠と都道府県枠の割合はスポンサー枠=7.5・都道府県枠=2.5
と大体このような割合になっており、多くはこのスポンサー枠からの選出となっています。
そして、選考基準はオリンピック聖火ランナーにふさわしい方を適切に選考することとしており、聖火ランナーが抽選や先着順によって選ばれることはなく、2つの枠の選考に共通していること。
それは「走りたい都道府県にゆかりのある」こと。そして、その地域での活躍や貢献度をいかにアピールできるか?という基準になっています。
例えば千葉県の場合、「千葉らしさをアピールできること」に加え、震災からの復興をアピールできる人や、千葉県・聖火リレー2日目には『銚子漁港』を通るため、『腕の良い漁師』など、その地域に関わりの深い人が選ばれる可能性もあるなどなど…
都道府県ごとにアピールできるポイントが違うことも選考の面白さのポイントでもあります。
聖火ランナーで事実上の”芸能人枠”と化している”都道府枠”
この記事の本題である「なぜ聖火リレーのランナーは芸能人ばかり」なのか?という問題に対して、冒頭でも説明した通り、芸能人が多いのは実は勘違いであり、実は参加者はほんの一部である。ということをお伝えしました。
とはいえ、1万人という人数でも88人という芸能人の数でもその数は割合に対して多く感じてしまうことも事実。
では、この章では、なぜこんなに多くの芸能人が参加できるのか?ということについてお伝えしましょう。
こちらも結論からお伝えすると、このような結果になってしまうのは先ほどお伝えした「都道府県枠」が関係しているのです。
”都道府県枠”について詳しく
都道府県枠とは、その名の通りスポンサー枠は「企業推薦」なのに対し、「各都道府県の自治体による推薦」です。
そして、この都道府県枠も選考基準が都道府県の自治体に委ねられており、その都道府県の地方自治体にふさわしい人物を選出することになります。
スポンサー枠と都道府県枠、一見募集先が違うだけで、選考内容が同じように思います。
しかし、この両者の決定的な違いは地方自治体というより小さな運営母体になるためその結果「忖度の効きやすさ」が生まれる。
これが大きな違いであり、これによって多くの芸能人が選出され、いわば「芸能人枠」化としているのが実情と言えるでしょう。
先行基準が問題視されている都道府県枠
そして、この「忖度の効きやすさ」とうのはもちろん問題もあるわけで、「選考の不透明さ」がより顕著になることにもつながり、大きな問題となっています。
地方自治体によっては、一般の公募をしている中、あらかじめ参加してほしい著名人には自ら打診するなど、あらかじめ特別枠を儲けている自治体もあるようです。
もちろん、各県か市に、一人くらいは、盛り上げのために有名人の参加はあっていいと思いますが、何人も枠があるってのはかなりの違和感に思います。
蓋を開けてみれば各県が有名人を輩出しているアピール合戦であり、オリンピックの意義や復興オリンピックというものはどこかに忘れているという状況を物語っていることでしょう。
ある市の担当者は元アスリートに「『応募しませんか』と声かけした。経歴にストーリー性があり、推薦のような形をとった」と説明。同様に元アスリートらが選出された別の市の担当者も「県から『この方には走ってもらいます』という連絡を受けた」と述べた
また、ある自治体の担当者は公募の中に「PRランナー枠と一般公募(枠)があり、うちは一般公募のみで(選定を)進めた」とした。
一方、ランナーに選ばれたある元アスリートは「(行政側から)参加しませんかと声かけがあった。その後、一般の皆さんが書く応募用紙を出してくれと言われた」と打ち明けた。
山手線の新駅の募集と同じで形だけの公募であり結局選ばれるのは有名人や上級国民だけ。
いわゆる、この「都道府県枠」は世間が嫌う「上級国民」がこの聖火リレーに優先的に参加できるシステム。になってしまっていることが実情。
そして、この「都道府県枠」は忖度や利権を垣間見る非常に不透明な制度でもあります。
他県には、行政側が走ってほしいランナーを最初から公募枠ではなく別枠とするところもある。福岡県の実行委は公募枠を22人で募集し、17日にうち21人の内定を発表。あわせてこれと別に実行委側が選んだ29人の推薦枠の内定も公表した。
落選した下松市の70歳代の男性は「行政側が声をかけた人が含まれていたのなら、何のための公募だったのか」と怒っている。
’’安倍枠’’も存在する露骨な山口県の都道府県枠
また、この都道府県枠の応募条件は
「政治的、宗教的メッセージを伝えることを目的とする人、国会議員や地方公共団体の議員、首長、公職の候補者ならびに候補者になろうとする人、政党や政治団体の党首およびこれに準ずる人は、聖火ランナーにはなれない。」
こんな禁止事項もありますが、安倍首相のお膝元である山口県の自治体は聖火ランナーの中に安倍首相のガチガチの支援者が混じっており、まさに聖火ランナーまでもが「桜を見る会」状態になっています。
これらの人選は芸能人ではありませんが、「安倍枠」という第3の特権が存在する聖火ランナーの私物化というもはや芸能人ばっかりという問題よりも深刻問題ではないでしょうか。
実は、観戦チケットだけでなく、“聖火ランナー”にも「安倍枠」があった可能性が囁かれている。
安倍枠の存在をうかがわせるのは、17日に公表された聖火ランナーの人選だ。安倍首相のお膝元・山口県内で選出された40人の中にガチガチのアベ支援者が交ざっていること。
聖火ランナーの芸能人ばっかりの人選はかえって裏目である
ランナーとしての参加だけでなく沿道の観客としても参加してもらうためには、有名人の起用は活用していいと思いますし、盛り上げるための芸能人起用。そんな目論見だったことでしょう。
しかし、最後は結局行政、政治絡みであり、ここまで露骨ないわば公募と言う出来レースを見せつけられるとオリンピックに対して益々興味が無くなっていく人が多いのではないでしょうか。
今回の聖火ランナーの人選でそう思わざるを得ません。
オリンピックとは誰のためのものであり、何の目的に開催するのか?各全国の自治体がもっと深く考え、人選するべきだった。そう思います。
とはいえ、オリンピックはこれからですしもっと他の部分で運営の良い部分を見ていきたいですね!