芸能人にとって、最大の敵はそう「週刊誌」
よく「フライデーされる」とか「文春砲を食らう」
なんて言われますが・・・
でも普通に考えればストーカーして個人の私生活を本人の許可無しに盗撮したり…
これって言い方を変えてるけど普通にただの違法行為じゃない?
なんて思いますよね。
中には芸能活動を引退に追い込むようなその人の人生を狂わせるほどの非人道的なスクープまで。
そういう商売だからで済まされないようなスクープも数多くあります。
特に、週刊文春やフライデーは過激なスクープをすることでも有名。
そんなスクープを見て、「なぜ文春やフライデーなどの週刊誌は訴えられないの?」
なんてあなたも疑問に思っているのではないでしょうか。
今回は、なぜ文春やフライデーなどの週刊誌は訴えられないのか?
そんな疑問について詳しくお伝えしていきたいと思います。
目次
人の人生をも狂わせるほどのスクープを行う週刊文春やフライデー
ストーカーや盗撮行為など、度を超えた取材
平気で自宅前で張り込み、追い回しご飯を食べているところまで追い回すなど、その取材活動は過激そのもの。
もし、これを一般人にやれば警察が来てもおかしくないぐらいのヤバい行動・・・
なぜ芸能人だけこんなことが許されるの?なんて思ってしまいますよね。
過去にはほぼ引退状態に追い込まれた芸能人まで・・・
また、それだけでなく時にはその人の人生をも変えてしまう報道まで行います。
最近ではタレントのベッキーさんのゲスの極みの川谷絵音さんの不倫報道が非常に騒がれましたね。
ベッキーさんはこの文春砲を気に、テレビの表舞台からほぼ姿を消し、活動休止に追い込まれました。
復帰はしましたが、この報道以前の活躍は消え去り、今でも細々としか活躍できない状態にまで。
この報道がベッキーさんを瀕死状態に追い込んだことはまず間違いないでしょう。
なぜ?文春やフライデーは訴えられないのか?その理由①公的人格の問題
さて、そんな行き過ぎた週刊誌の報道ですが、なぜ?文春やフライデーは訴えられないのか?
その理由を今から詳しくお伝えしましょう。
「公的人格」にあたる芸能人
まず、今回の「なぜ?文春やフライデーは訴えられないのか?」
この問題に大事な「キーポイント」があります。
それが「公的人格」という概念。
憲法学(人権論の分野)の初歩に「公的人格」という概念があります。
公共の場に自分から出まくって活動し、それゆえ著名であり、その人の動向に対して多数の一般人が関心を持っている人のことを「公的人格」略して「公人」と言います。
・その人の言動に社会全体で強い注目がある
・自身を公共の場に露出させることが生業の一環である
といったように、芸能人(公人)は自分の言動を社会全体に注目させてナンボな仕事です。
つまり、そういう手段で生計を立てている人は、一般の人間よりもプライバシーの権利が制限を受けてやむを得ないという考えが成り立つわけです。
したがって、犯罪行為への関与などあきらかに評判を不当に落とす目的な話でもなければ
何もアクションを起こさないのが普通です。
そのため、よく疑問に思うような「ストーカー」「プライバシーの侵害」や「肖像権の侵害」
といった権利を芸能人が主張することは難しいということなのですね。
公人の権利よりも報道の自由が優先される現在の日本の法律
ある意味、法体系の弱点とも言えるでしょう。
週刊誌は報道機関です 。
そして、日本には表現自由や報道の自由という大切な権利もあります。
芸能人や著名人は「みなし公人」とされ、名誉毀損やプライバシーの権利より報道の自由や国民の知る権利が一般的に優先と基本的には裁判所が判断するわけです
そんな解釈に立っているのが現在の日本の法律の解釈の実情。
また、芸能人も目に角立てて、掲載されれば一人前というステータスもあります。
なので、撮られる=人気があるという風に捉える事も出来ますし。ある意味持ちつ持たれつではないでしょうか。
訴えることはイメージダウンに繋がるので訴えにくいのも実情
そもそもですが、名誉毀損も肖像権も法律上は刑事ではなく民事の問題。
従って、被害者が訴えて裁判にならなければそれらに関する規定も罰則もありません。
しかし、公人である芸能人が少し盗撮されたぐらいでこのような裁判を起こしてもまず勝ち目がないというのが実情。
それに加えて、もし仮に本腰を入れて訴えたところで、お金以上ものを失うことに繋がりかねません….
今度は裁判内容暴露され、はたまた「真実」とか根掘り葉掘り公表せざるを得なくなりとにかく被害者がもっと酷い状況に陥るという・・、何だか分からないことに。
また、ベッキーさんのように明らかに自分に否があるスクープなども同様。
もし仮にベッキーさんが文春を訴えたりしていれば、「浮気したくせに往生際が悪い」
などと世間から言われ、さらにベッキーさんの分が悪くなってしまいます。
だから皆引退や第一線から退いてしまうのです。
つまり、泣き寝入りするしかないというのが実情。
なぜ?文春やフライデーは訴えられないのか?その理由②
裁判を想定した徹底的な記事制作
もちろん過去には裁判沙汰になっているケースも多い
とはいっても、芸能人も一人の人です。
プライバシーの侵害や相当な不利益をスキャンダルによって被ることがありますから
「訴えられる」ことは可能です。
公になっていないだけで、過去には出版社に対して裁判を起こした例も数多くあります。
実はちょっとしたスキャンダルなどが訴えられないだけで、、明らかにないことを憶測で書かれたり、「公人」であることや報道の自由の域を超えた内容に対しては度々芸能事務所が週刊誌に対して裁判を起こしているのです。
過去の出版社に対する裁判の例
ここで、過去に芸能事務所が出版社に対して行なった裁判の一例をご紹介しましょう。
「名誉毀損」や「プライバシーの侵害」の中でも、「身に覚えのない言いがかり」や「行き過ぎた取材活動」そんな記事が訴えられやすいように思います。
芸能事務所「レプロエンタテインメント」(東京都)が、以前に所属していた俳優のん(本名・能年玲奈)さんをめぐる週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の文芸春秋などに計約1億3千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。中園浩一郎裁判長は一部の内容について名誉毀損(きそん)を認め、文春側に計660万円の賠償を命じた。
2016年7月27日、自宅療養中だった歌手・中森明菜(51)の隠し撮り写真を掲載した週刊誌『女性セブン』(小学館)に対し、中森がプライバシーの侵害に当たるとして計2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。東京地裁は「芸能人であることが自宅で過ごす姿をのぞき見られることの違法性を軽減する理由にはならない」と判断し、同社とフリーカメラマンに計550万円の支払いを命じる判決が下された。
1999年に雑誌「週刊文春」が所属タレントに対してジャニー喜多川が性的行為を働いていることなどを報じたことです。
この記事に対してジャニーズ事務所は名誉毀損で週刊文春を相手取り約1億円の損害賠償を請求する民事訴訟を起こします。
2002年に東京地方裁判所は一審判決で880万円の損害賠償を命じますが、週刊文春は不服として東京高等裁判所に控訴します。2003年の二審判決でジャニー喜多川が行ったとされていた性的行為の事実を認め、同性愛疑惑に関しては事実だと公の場で認められ損害賠償は120万円にまで減額されました。
ただし、裁判になることを想定して徹底的な記事制作も意識している
もちろん、中森明菜さんの件のように「家の中を盗撮する」
など明らかな違法行為は記者の行き過ぎた行為によるスクープは未然に防げる記事でもあります。
しかし、判断が難しい「かもしれない」という裏付けが取れていない記事は近年、昔に比べて裁判で負けやすくなっているようです、
そのため、週刊誌の記事を出す前に徹底的なチェックが行われているようです。
例えば、きちんとした証拠があるのか。記事に出てくる証言者は、仮に訴訟になった時に、実名で陳述書を書いてくれるのか。
証言台に立ってくれるのか。どこまで腹を決めてくれているのか、というところまで確認しながら、記事を作っているそうです。
また、顧問弁護士と相談しながら進めるケースもあるそう。
ちょっとでも危ないと思ったら、必ず顧問弁護士に原稿を読んでもらったり、弁護士のアドバイスには基本的に全部従うなど記事のリーガルチェックも入念に行い記事を出しているようです。
「確かに、裁判で勝つのが難しくなっていると思います。私は、4年前に編集長になる以前も、週刊文春のデスクや記者として、訴訟を起こされたことがありますけど、その当時に比べると、求められる立証のハードルがずいぶん高くなっていると感じています。
匿名の証言だけではダメだとか、伝聞の情報ではダメだとか、たとえ公人であったとしても、プライバシー権の侵害にあたる可能性があると指摘されるなど、ハードルが高くなっています。
編集長になったばかりのころは、以前の感覚でやっていたので、次々に裁判を起こされて、かなり苦戦を強いられました。今までなら勝っただろうと思うような裁判で負けたりすることもあり、どこがダメだったのかを分析してきました。
敗訴を想定して記事を出すこともある
しかし、名誉棄損とかプライバシーの侵害の慰謝料は仮に裁判で負けても多額の金額にはならず安いというのが実情。
そんなもの為に裁判を何年も何年もかける人、いないわけで刑事事件などに比べると軽い裁判沙汰。
つまり、語弊を無くして言えば、訴訟を起こされることはそこまで重大な問題ではない。
ということ。
ある意味敗訴による慰謝料は所詮「必要経費」
としてみなす出版社もあります。
一方、出版社にとっては、リスキーに思えるが、裁判で認められる損害賠償額がスクープ記事によって得られる利益を上回ることはほとんどないため、場合によっては「利益と天秤にかけて訴訟覚悟でスクープを出すこともある」(出版関係者)という。週刊誌のスクープ合戦は激化する一方であるだけに、今回のような「行き過ぎ」が続発する恐れもありそうだ。
【まとめ】週刊誌のスキャンダルは有名税でもあり「必要悪」でもある
まとめると・・・
「芸能人は「公人」であり、訴えるのに非常に不利な立場」
「そもそも訴えても慰謝料が安く割りに合わない」
「仮に訴えたらもっと立場が悪くなり、今後の芸能活動に影響してしまう」
というのが「なぜ?文春やフライデーが訴えられないのか?」という大きなポイントです。
一言でまとめるならば「有名税」と割り切って芸能人は目をつむっているということですね。
また、大きなリターンには必ずリスクがつきまといます。
芸能人にとってリスクとは「プライバシーがなくなる」ということ。
芸能人は「その知名度」というもので収入を得ています。
それはつまり、その芸能人の「プライベートも覗き見したい」という需要が生まれることにも繋がります。
中には行き過ぎた報道もありますが、需要がある限りそれに応えてあげる週刊誌は必要悪。
そういえるのではないでしょうか。