甲子園で東京(東西)北海道(南北)が2校出場するのはなぜ?いつからはじまったの?

甲子園で東京(東西)北海道(南北)が2校出場するのはなぜ?いつからはじまったの?

夏の風物詩とも言える甲子園。

毎年、全国各地で熱い地区予選が繰り広げられ、各県から1校づつ、その王者が決められます。

しかし!よ〜く代表校を見ていると、不思議なことがあります。
それが「東京」と「北海道」の代表校。

そうなんです、なぜか、東京と北海道だけ代表が2校毎年出場しているのです。

なんだか不公平!?
そう思う人も多いかと思いますが・・・

では、なぜ?東京と北海道だけ代表が毎年2校出場しているのか?
その理由を詳しくお伝えしたいと思います。

東京と北海道だけなぜか毎年2校出場する甲子園の謎

東京は「西東京代表」「東東京代表」、北海道は「北北海道代表」「南北海道代表」
この2校に毎年分割され、それぞれ予選も分けて行われます。

そんな状況に甲子園を最近見始めた人はあれ?っと思うのではないでしょうか。

甲子園をよく見る野球経験者ですら、「そういえば当たり前のように思っていたけどそういえば何でだろう?」
なんて明確な理由を知らない人も少なくないはず。

それぐらい、今では浸透しているこの2都道府県の2分割制。

では、一体なぜ?この2都道府県は2つの地域に分割されて毎年出場しているのか?

教えて!
なぜ、夏の甲子園は北海道と東京は2校なんやろ?
誰か知ってる人いてる〜?

— カツオ (@katsuo8992) 2014年4月26日

【日本人への質問】なぜ甲子園は北海道も東京も2校出場しますか?

— Clara Kreft🎐🍉 (@808Towns) 2014年8月16日

甲子園で東京と北海道だけなぜ2校出場?その理由は2つで違う?

予選でヘトヘト?東京は学校数が多すぎることが理由

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まず、東京都の分割の理由はズバリ「参加校数の多さ」が挙げられます。
東京都が甲子園で西東京・東東京の2校代表制となったのは1974年から。

さすが、日本の人口No1の日本の中心と言わんばかりに、その高校数は乱立。

もともとは他県と同列で1校のみだったという東京。
しかし、人口増加に伴い、その参加校数は東京だけで200校以上に。

予選だけで8回は勝ち抜く必要があり、予選だけでヘトヘトになっていたと言います。

そこで、当時明治大学の名物監督で都高野連の副会長だった島岡吉郎氏らが日本高野連に熱心に働きかけで、この2校分割が実現しました。

確かに、毎年25校程度しか参加していない鳥取などと比べれば、その条件はフェアではありません。

東京は日本の中心部分という都市でなにかしらの忖度があり2校出れる。
そんな風に思っていた人もいるかもしれませんが単純に数が多すぎる。というのが大きな理由のようですね。

人口自体の伸びに加え、女子高が共学化して野球部を新設するケースも。そうして気がつけば200校に迫り、優勝するには最大8回戦を勝ち抜かなければならなくなっていた。「予選だけでへとへと。甲子園に着くころには力を使い果たした状態でかわいそうだった」。当時から都高野連で働く横山幸子さんはそう振り返る。決断には先見の明があった。加盟校は現在は270を超えており、区割りがなければ予選はさらに大変なことになっていた。

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北海道は「距離」の問題が大きな理由


一方、もっと不思議なのは北海道。

毎年強豪校を輩出しているわけでもなく、どちらかと言うと、高校野球不毛の地のように思える北海道。
そんな北海道に2校出れるのってすごく不思議ですよね。

そんな北海道ですが、その事情は東京の「数の問題」という事情に対して、北海道に関しては話が少し違ってきます。
北海道の場合はズバリ、「距離の問題」というのが大きな理由です。

他の県に比べて広大な土地を有する北海道。
その土地の広さは83,454 km²あり、その広さは九州の2倍以上。

日本の面積の約4分の1を計算になります。

つまり、こんな広い場所でまとめて地方予選を行うと、その予算や時間は大変なことになってしまいます。

そんな状況に、今から約60年前の1959年の第41回大会から南北海道・北北海道と分割されることに。
意外にも東京よりも前に先駆けて2校に分割されていたのですね!

しかし、その後参加校に関しても東京同様にピーク時で南北海道参加校は1990年・1992年に153校。
北北海道参加校は1994年に135校、北海道全体で1992年の293校になり増加。

この段階で、北海道は分断の理由が最初は「距離」であれ、今となっては「数」
という理由も加わっている状態です。

甲子園の2校分割は神奈川・大阪も検討の余地あり?

ただ、この2分割制度、他の都道府県よりもハンディキャップをなくすために作られた制度。

しかし、現在でも昔東京のようなハンディキャップがありながらも已然、過酷な地方予選を戦わなければいけない都道府県があることも確か。

こちらが、2018年第100回大会の地方大会の上位参加校数の統計

東….京 262
北海道 258
神奈川 196
愛….知 188
大….阪 188
千….葉 180

記念大会こそ、このような都道府県は2校出れますが、あくまでも10年に一度のおまけ。
2分割後の北海道や東京よりも遥かに難易度が増します。

そうなんです、東京や北海道は2分割前はかなりハードですが、2分割してしまうと、それはそれで他の地域よりもその甲子園出場の難易度は下がります。

ただ、この状況で一番損するのは中途半端に数の多い地域なのです。

特に、大阪や神奈川は、数もさることながら、強豪ひしめく超激戦地区。
この地区で優勝することは甲子園で優勝するより難しいと言われており、その公平さに欠ける制度への疑問が毎年叫ばれています。

まあ、仕方ないといえばしかたないですが・・・

大阪や神奈川の2校出場制度は結構本気で考えても良い事案だと思いますし、この2つの2校出場に関しては多くの高校野球ファンも納得するのではないでしょうか。

100回の節目を迎えた甲子園。
これから、どんどん改革していった方がもっと盛り上がっていくかもしれませんね!