逮捕劇から逃亡劇・・・
その報道される内容や絵に描いた悪人面やから、今や全ての日本国民の「悪役」と言っても過言ではないほどにまで悪いイメージがつきまとってしまっているであろう元日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏。
しかし、今回の一連の事件の真相は世間の報道とは少し違うことはご存知でしょうか。
今回は、そんな日本のマスコミで報道されている内容とは違う、この事件の真実をお伝えしていきたいと思います。
目次
まずはカルロス・ゴーンの実際に報道された事件の内容をわかりやすく
まず、今回のカルロス・ゴーン氏の一連の事件について深く知っておくために、メディアで報道されている内容。
このおおまかな全体像を知っておく必要があります。
この事件の一連の流れをざっと知っておくことで、今から説明していく事の真相についてさらに深く理解していくことが可能になります。
カルロスゴーンは実は悪くない理由①有価証券報告書虚偽記載にはならない?
さて、一連の事件の流れをざっと把握した上で、なぜ?カルロスゴーン氏は悪くないのか?
今から真実の部分をお伝えしていきましょう。
過少申告は未来の収入?
まず、カルロス・ゴーン氏の逮捕された主な容疑である「会社法違反(有価証券報告書虚偽記載)」
こちらについて、テレビで報道されている内容は有価証券報告書で記載するべき報酬を過少報告をしていた。
という内容ですが、実はこちらの記載していない金額については「確定してない未来の収入」であったということ。
これは一体どういうことか?
実は、この「虚偽記載」とされたのは、ゴーン氏が日産から「実際に受領した報酬」ではなく、退任後に別の名目で支払うことを「約束した金額」なのです。
要するに、実際にはお金を受け取っておらず、辞めたあとにもらう報酬決めたのは当時建て直しのために資金はないからであり そのあと渡すよ〜。
という契約を日産としており、それを記載していなかった。(ゴーン氏の多額の報酬への非難を避けるために後払いにした説もある)
ということであくまでも「未来にもらえるはずのお金」を記載しなかった。ということ。
しかし、この「支払の約束」のお金を特捜部は、これを事実上の隠ぺい工作だと判断。
契約料を受け取るのが退任後だとしても、契約書は毎年交わされており、「確定しているお金」だからその都度、役員報酬として報告書に記載し、開示する義務がある。
記載義務は報酬確定が前提なのでゴーン側は確定してない。しかし、検察側は確定していると言っているのです。
つまり、これは意図したものではなくよくある「認識の違い」ということ。
とはいえ、上の動画で話している通り、10年後の報酬が確実に払われるという保証もなく、会計的な側面から見ると、報酬に計上する要件を満たしていません。
そのような不確定要素の多い報酬を計上しなかったことに対して検察は躍起になって罪に仕立て上げようとしているのです。
しかも、この再逮捕については、「不当逮捕ではないか」という批判もある。そもそも虚偽記載容疑での逮捕については、1回目の逮捕時から「実際に報酬をもらっているわけではなく、退任後に報酬をもらう合意をしたというもの、これで有罪に問えるのか」という指摘があった。ところが、今回の再逮捕は、その1回目の逮捕と全く同じ「退任後の報酬の合意」であり、対象とする期間を2011年〜2015年3月期から、2016年〜2018年3月期に変えただけだった。
そして、更にカルロスゴーン氏と同時期に逮捕されたこの前の代表取締役、グレッグ・ケリー氏が退任後に受け取る報酬を記載しなかったこと。
こちらについて、「外部の法律事務所や金融庁などに何度も相談し、記載義務はないとの回答を得た。そのうえで適切に処理した」と供述しています。
先ほども少しお伝えした通り将来ゴーン氏が受け取る予定とされた報酬を計上するには、その額を確定する必要がありますが、あまりにも不確定要素がありすぎ、支払われる保証もなく確定するには困難と思われます。
単なる推定で計上した場合、過剰な費用計上により企業利益を矮小化したとの判断にもなりかねず、現段階では計上できないと考えるべきです。
そうすれば計上できない費用(役員報酬)を記載しないのは当然で、このことに違法性は認められないと言わざるを得ません。
側近の前代表取締役グレゴリー・ケリー容疑者(62)が「金融庁に相談し、記載する必要はないとの回答を得た」と周囲に説明していることが29日、関係者への取材で分かった。
金融商品取引法を所管する金融庁の「お墨付き」をもらったことは、虚偽記載の意図がなかった裏付けになると主張するとみられる。
金額も逮捕されるには低すぎる
また、もう一つのおかしい理由がその「金額」
今回、有価証券報告書の記載が問題となっていますが、有価証券取引報告書は株式の取引に活用するものです。
株主から見て、10兆円の売上があると記載していたのに、9兆円しか売上がなかったというように経営に関する数字が実態と違っていたときには、安心して株式を取引できないのです。
つまり、有価証券報告書をきちんと記載する理由は株主を困らせたらダメですよ〜。ということでこのように定められているのです。
だからこそ、有価証券報告書の記載は法で義務付けられているわけですが….
日産は年間売上が10兆円を超え、10億円とか50億円の記載ミスがあっても、10兆円という全体から見ると微々たるものです。
つまり、ゴーン氏が行ったことは市場が混乱するほどの出来事ではなく、仮にこの件で立件するとしてもこの程度の金額では、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)で犯罪が成立するという主張はいくらなんでも難しいということ。
この金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)で犯罪が成立する要件に、「投資家が(有価証券報告書虚偽記載)によって騙されて損をした場合」に初めて罪に問われるという基準があり、今回の件の程度の金額では到底その基準には達しません。
もちろん、その分の税金を払っていないので、所得税法違反、いわゆる脱税で犯罪は成立するのかもしれませんが、そもそもゴーン氏はフランスで納税していますので、これには該当しません。
明らかに、この件で逮捕されるのは検察がやけになって逮捕している、いわゆるでっちあげと捉えてもおかしくはないでしょう。
カルロスゴーンは実は悪くない理由②特別背任罪は立証できない?
そして、もう一つの立件されている「特別背任罪」こちらについても同様でかなり強引な立件になります。
会社名義で購入しているので横領ではない?
まず、「特別背任罪」で立件されてる件。
日産の子会社「中東日産会社」からオマーンの販売代理店に約35億円、レバノンの販売代理店に約17億円の資金が流れ、その資金がブラジルやフランスなど4か所の高級住宅を、海外の子会社が購入し、ゴーン容疑者は私的に利用していた。というような内容。
あたかもゴーン氏が無断で会社のお金で豪遊しまくったような報道ですが、そもそも海外の家にしても名義は日産になっておりゴーン氏の物では無く、会社が所有しているもの。
会社が保有する物件を社員に使用させることは特別珍しいことでは無いですし、多くの企業は普通にやっていますしそれが背任にあたると言うロジックはなかなか理解できません。
結局、日産からお金を横領したように言われていますが、会社の許諾を受けているので横領とは言えないです。
「報道されていた不動産の私的使用問題は、購入した不動産が会社名義になっているため、会社への損害を立証しなければならない特別背任は難しい。特捜部もそのことはわかっていたはずです。だから、この間、マスコミに立件できない疑惑を次々流してゴーン=悪者のイメージを流布させる一方で、日産の全面協力をえて、特別背任につながるネタを必死で探していた。しかし、結局、立件できるようなネタは見つからなかった。でも、いまさら後戻りはできない。それで、同じ虚偽記載で再逮捕したということでしょう」(全国紙司法担当記者)
損失負担も立証が難しい
また、もう一つのゴーン氏の「特別背任罪」で立件されてる件。
この問題はゴーン氏の資産管理会社が2009年頃からリーマンショックで新生銀行とのデリバティブ(金融派生商品)取引で約18億5000万円の含み損を抱え銀行から求められた担保にサウジアラビアの友人に約30億円の信用保証を追加担保として提供してもらったお礼に日産資金約12億8000万円を実業家側に送金したという問題。
まあ、この問題はざっくりなんぞやと言いますと、ゴーン氏がリーマンショックで溶かしたお金の追加担保として新生銀行にサウジアラビアのお友達に債務保証契約をお願いした見返りを日産の資金から流用したという問題です。
しかし、そもそもこの30億円の信用保証料というのは2000~3000万円ほどであり、その経済負担に対してのお礼に16億円の信用保証料と言う金額はありえない。
こう上の動画で細野祐二氏は指摘しているように、そもそもの中東経由の横領も物的な証拠はなく、証言などあまり証拠とは言えない代物しかないというのが実情。
カルロスゴーンは実は悪くない理由③多い再逮捕による露骨な人質司法
今回の事件で特筆すべきなのは、その「再逮捕」の多さ。
そして、さらに注目したいのがその内容です。
有価証券報告書虚偽記載についても2回再逮捕していますが、どちらも時期をずらしただけで、ほぼ全く同じ内容なのです。
これは「拘留期間を延長するため」であり、次々と罪名を小出しにして検察の望む自白をするまで拘留を続ける「人質司法」という日本の悪しき習慣の典型例。
そして、これは何を物語るかと言いますと、正直、検察側は確固たる証拠がない。ということなのであり、ゴーン氏側が折れることを期待した逮捕に過ぎないということなのです。
具体的に何をしたかの証拠がないから初公判が逮捕から1年以上もかかったことや、拘留の延長も焦っていたのもなによりの証拠でしょう。
そもそもなぜ?カルロスゴーンは告発されたのか?
ルノーと日産の合併に対する日本司法当局の反撃
本件では、フランス政府の思惑と日本政府が深く絡んでいます。
ルノーと日産が合併してしまった場合、その損失は、日産と言う企業よりも日本の国益を損ねる結果となります。
どういうことかといいますと、数兆円もの企業規模である日産の法人税やその関係子会社がルノーのあるフランス国の管轄となれば、日本に取って大変な損失。
利益が下がったと言う2018年5月の日本国への法人税が800億円です。それらがルノー経営統合で来年からゼロになるとそりゃ日本国として黙ってられないでしょう。
それに加えて、ルノーは積極的に中国と関わっている企業であり、その合併が実現したら日産の技術が全部中国に吸い取られます。
そんなルノーと日産の合併に動いたゴーン氏を逮捕することで、合併を防ぐことができ、今回のゴーン氏の逮捕はそれを阻止するある種のクーデター。
つまり、日産の国益を守る(日産のルノー子会社化阻止)国策逮捕であったと思います。
実はアメリカが黒幕?
また、違った見方をすると、日産と三菱の車が「中国で生産=軍事技術の漏洩」を考えると米中貿易戦争中でトランプ大統領がそれを見逃すはずもなく、アメリカのトランプ一派は「ゴーン社長を落とす」しかない。
という事でゴーン氏の逮捕に踏み切ったことでしょう。
そもそも、東京地検特捜部はアメリカの息が大きくかかっている機関。
そんな東京地検特捜部にゴーン氏の逮捕を指示したのはトランプ大統領であり、この問題の裏には実は『アメリカ』が深く関わっている。
つまり、「今回のリーク劇場」黒幕はトランプといいますか、「アメリカ政府」そんな考え方もできるでしょう。
ゴーンを嫌う日産幹部による密告
そして、この検察が動いた背景には「内部からの告発」というのがこのゴーン氏逮捕の真相。
ルノーとゴーン氏は1999年に日産を破綻の瀬戸際から救い、ルノーは日産の発行済み株式の43.4%を握る筆頭株主として経営を支配するようになりました。
反対に日産はルノー株の15%しか保有しておらず、しかもこれらの株式には議決権がない。
しかし復活を果たした日産は今や売上高と利益でルノーを凌駕する存在となっています。
ルノーの2017年12月期決算で、日産の利益貢献は30億ドルを超えました。
日産にとって、ルノーは「お荷物」それどころか「すねをかじられている」とさえ考えていたというところでしょう。
そして、日産社内では、ゴーン氏が一段とルノー側の人間として振る舞うようになったとの見方も強まっていたり、
報道によれば、日産の西川廣人社長兼CEOの首をすげ替え、ルノー寄りの人間を後釜に据える人事が水面下で進行中との観測もありました。
こうした人事が実現した暁には、ゴーン氏は日産をルノーに吸収合併するに違いない――。
日産社内では、そんな憶測が飛び交うようになっていたのではないかとも報道されており、一部の日産幹部にとってゴーン氏は邪魔な人物であった。
だからこそ、密告され逮捕に至ったという説もあります。
それを物語るように、最高経営責任者が報酬を過少申告したり、会社の資金に不正に手をつけていたとしたら、取締役会がCEOに行動を改めるよう求めるか、解任に動くのが普通。
しかし、日産側は特捜部と手を握って、ゴーン氏および側近のケリー氏逮捕に向けて容疑固めに協力する道を選びました。
2万人の社員を首にし、さらに関係子会社や協力会社を切り捨てた。実際には3万人以上、路頭に迷わせた。
そして自分は高額の報酬をもらい、さらには日産をルノーの子会社化を企てるなどなど….
もちろん、日産を再建したその手腕に「恩」もあるが、日本人感情的には「恨み」もある。
日産の一部の幹部にとってゴーン氏、そんな状態だったことでしょう。
まあ、要するにゴーン氏の逮捕は日産の一部人間が司法取引制度を利用してゴーンをけり落としたい人と、検察は有名人を逮捕という手柄を立てたいという利害関係が一致したので逮捕したという流れでしょう。
その証拠に日本人の日産幹部の逮捕・起訴がありません。
西川社長は任意の事情聴取でゴーン氏の報酬の金額が違うことは知っていたと証言しました。
つまり、虚偽記載を知っていて有価証券報告書を提出したと認めたのです。この証言は西川社長の故意を証明するに十分です。
仮に、ゴーン氏に10年の実刑判決が出たら、ゴーンの犯罪を気づいていながら見過ごした現日産社長にも実刑8年の実刑判決が出ないと、おかしいのです。
これがまかりとおるならば法のもとの平等、これがまったく成立していません。
カルロスゴーンの逃亡劇は日本の司法制度にメスを入れる行動である
今回の件は、巨額の金額だけが独り歩きをして報道されて「ゴーンは悪い奴」という体で話が進んでいますが、
基本的には「謎だらけ」で、全てにおいて確証がない。というのがこの事件の大まかな全体像。
つまり、全ては日産と三菱をフランスに盗られないための国策捜査なのです。
確かに、保釈中の身でありながら不正な手段で逃げたのは明らかな犯罪行為でしょう。
しかし、その背景には「私は正義から逃避したのではない。私は不正義や政治的迫害から逃れてきたのだ」「基本的人権が無視されている日本の不正な司法制度」
こうゴーン氏は語るように、取り調べの可視化や弁護士の同席が認められないなど、先進国とは思えないその遅れた「人質司法」、「司法権力の悪用」などなど….
今回のレバノンへの逃亡はそのようなカルロスゴーン氏なりに「自分は無実である」という確信があったからこその行動。そんな背景があります。
だからこそ、今回のカルロスゴーン氏の逮捕劇は、日本の悪しき司法制度にメスを入れるいい機会。
そんな良い機会ではないでしょうか。