前澤社長が退任したのはなぜ?真の理由はやはり経営の限界だった!?

前澤社長が退任したのはなぜ?真の理由はやはり経営の限界だった!?

ZOZOTOWNの創業者でもある、前澤友作社長が退任を発表しましたね。

前澤友作社長と言えば、芸能人と付き合ったり、ド派手な私生活を送ったり…..
何かと話題になる社長さんでしたが、今回の電撃退任。

一体なぜ?っと多くの人は疑問に思うことでしょう。
今回は、そんな前澤友作社長のZOZOの退任の理由について分かりやすく解説してみました。

ZOZOの代表取締役を電撃退任を発表した前澤友作

2019年9月13日、インターネット大手ヤフーが、アパレルECサイト大手ZOZOの買収を決めたと発表しました。

これを機に、ZOZO創業者の前澤友作社長はトップの座を退き、経営の一線から離れることになもなります。

前澤前社長が自身の今後について「新しい道に進みたい」と説明。

「当分は前澤さんが社長をやったら?とも言ったが、前澤さんは『スッパリ辞めたい』と。『訓練もしなければいけないし、彼女とも楽しく生きたいし』と言ってました。うらやましい限りです」と語り、会場の笑いを誘いました。

前澤社長が退任したのはなぜ?その理由は月旅行と新規事業計画が原因?

さて、今回の前澤友作社長の退任ですが、一体なぜ?
ZOZOの取締役を退任することになったのか?

会見で発表されていた理由をまとめてみました。

退任理由その①月旅行

Yusaku Maezawa

まず初めに、前澤友作社長が語った退任の理由は「月に行く準備」をすること。

2023年宇宙旅行を計画している前澤友作社長。

しかし、それ以外にも、もう一回宇宙に行くことになっていると会見で明かしました。

そして、その月に行くためには相応の体を適応させるトレーニングをしなければいけません。
何故トレーニングが必要なのかというと、地球と宇宙では生活環境が違いすぎるからです。

宇宙空間では重力がなく、いきなり重力のない環境へ飛び込むことで、脳が混乱し、「宇宙酔い」をもたらします。

また、発車時と着陸時に約6Gの重量加速度が体にかかります。

準備訓練は、主な内容はレクチャー、一緒に乗船するパイロットや他の乗客と一緒の実技訓練、専門医の健康診断など。

実技訓練は、実物大の擬似宇宙船キャビンや専門のシュミレーターを使っての各種訓練がおもになります。

それに加えて、月に行くためには訓練を受ける際や、それ以外にも様々な外国人と関わりを持つことにもなり、英語の勉強も必要だということです。

―「新しい道に進みたい」とのことだが、具体的に考えていることは?

前澤:考えているのは2つ。1つ目は宇宙渡航だ。2023年に月に行くが、それよりも前に宇宙に行く予定がある。外国語の勉強や、トレーニングもしなければならない。2つ目は新規事業をしたいということ。社会や人の役に立つビジネスをやりたい。もう43歳で頭も鈍っているので、早めに取り掛かりたいなと思っている。まだ決まっていないが、チャンスがあれば事業に積極的に取り組んでいきたい。

退任理由その②新規事業の立ち上げ

そのほかにも、今回ZOZOを手放した後には自分で何か新しい事業を始める。
これも今回ヤフーにZOZOを売却することを決めたもう一つの理由のようです。

まだやりたいことは決まっていないとのことですが、「困っている人を助けたり、不便だと思われることの解決に着手したい」そんな前澤友作社長の信念を元に、新たなビジネスを展開していきたいと語っています。

「お金ありきではなく、人ありき」
まさにビジネスの本質を突いた非常にシンプルな回答。

そんな何気ない一言からも、この人は成功するべくして成功したんだと思わされますね。

―新事業に関して。すでにやりたいことはある?社会に対してどのようないい影響を与えたいと考えている?

前澤:やりたいことは困っている人を助けたり、不便だと思われることの解決に着手したい。「ゾゾタウン」を始めた時も、遠方でなかなか服を買えない人や、試着が苦手な人などのためにスタートさせた。そういったユーザー意識からビジネスを行うのが得意でもある。その考え方は変わっていない。

前澤社長が退任したのはなぜ?真の理由はやはり経営の限界

とまあ、ここまでは今回の記者会見で終始語られていた「前澤社長が宇宙に行きたいから、ゾゾの経営をヤフーに委ねた」というストーリーを軸に進められいました。

とはいえこれらは形を良くZOZOを退任する口実に過ぎず、それを真に受ける関係者は少ないでしょう。

実際は、単刀直入に言うと、「今現在の経営方針やスタイルでは今後の成長に行き詰まりを感じてしまった」というのが前澤社長の率直な本音のように思います。

その証拠に、「多くの社員、取引先、株主に応援してもらい、夢のような21年間だった」と振り返った前澤友作社長ですが、近年は「時代の匂いを感じながらビジネスをする感性型の経営をしてきたが、いくつか読み違えもあった」こう語っています。

前澤友作社長が退任を決めた理由その①大手ブランドの撤退

まず、一つ目の理由は「アパレル会社の意向を無視した一律に値引きする戦略にことごとく失敗」
したことが挙げられます。

2018年12月25日にスタートした「ZOZOARIGATOメンバーシップ」キャンペーン。

これはZOZOTOWNの利用客が年間3000円、または月500円を支払えば、購入額の10%が月最大で5万円割引になるというもの。

しかし、割引の原資はZOZOが負担するというものの、多くの大手ブランドオンワードは「恒常的な値下げにより、当社のブランド価値が毀損される危険性が高い」と言う理由で即座に撤退を決定。

その結果、長くZOZOを支えてきた出店企業、オンワードホールディングス、ユナイテッドアローズなどの離反を招くという結果になりました。

有名ブランド、人気ブランドが撤退を決めるという事になったのは、会社のイメージとして大打撃です。こういう商売は取引先との信頼関係を失ったら終わり。

このブランド撤退というのは、数字面以外に、ブランド力という点ではかなりの痛手。

例えば、食品スーパーに行って、味の素の商品と日本ハムの商品が全く無かったら、客はどう思うでしょうか?

ちょっと、例えが極端かもしれんが、大手の商品が並んでいない。売りたい商品を売れなくなるとのは、かなりのダメージなのです。

前澤友作社長が退任を決めた理由その②新規事業の失敗

もう一つの理由は一時期話題になった「ZOZOスーツ」をはじめとするPB事業の失敗です。

無料配布した「ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)」を使用した計測および購入率が想定を下回った点や、商品製造の遅延、クオリティー面での問題の改善に時間を要したことによる販売機会の損失など…

年間売上高は当初計画に掲げていた200億円から30億円にとどまり、125億円の赤字を計上してしまうなど、前澤友作社長の快心の一手も不発に終わってしまいうなど近年のZOZOは目に見える失敗が続いていました。

会社の規模が大きくなり、上場も果たして、ZOZOという会社は起業から経営のステージに入った。

いわゆる「大人の会社」になったZOZOの経営スタイルは、現代アートを100億円超で買い、宇宙旅行のチケットを買い、人気女優で浮き名を流すなど、会社が大きくなりすぎて個人プレーでは維持できず前澤友作社長の手に負えなくなっていたのかもしれませんね。

数字でもこの業績悪化は表れ、ZOZOの株式時価総額は18年7月に記録した1兆5000億円超から6400億円前後まで落ち込みました。

ヤフーへの売却が報じられると株価は高騰しましたが、それでも12日終値で7657億円にとどまる。ピークの半分です。

自分の地位や権力に甘んじて、ZOZOの事業拡大や成長を見過ごす経営を行うことこそが無責任だと思う。ZOZOは成長にあたり一つの課題を抱えている。それはこれまでの自分のワンマン、トップダウン経営もその一つ。ZOZOはもっと社員それぞれの個を生かしたチーム力や総合力を磨かなければならない。そういう意味で後継者である澤田新社長にZOZOを譲り、さらなる成長を遂げていく。苦渋の決断だったが、退くことにした。

借金の影響もない?

また会見後の質疑応答では、「保有する株式の20数%に抵当権がついていた時もあった」という今回の資本業務提携と借金の関連性を問うが出ました前澤社長の口からはっきりと否定されています。。

「(借金は)宇宙への渡航費や現代アートなどに使った。人にご迷惑をおかけしない範囲で借り入れたごくごくまっとうな(借金)」などと説明。

「僕の借金は関係ありませんし、首が回らなくて資本業務提携した、という臆測は全く違いまして、この場で強く否定させていただきます」と笑顔を浮かべて話しました。

―前澤氏の借金について。今回のヤフーへの売却にどの程度影響したのか。自力で返そうとしていたのか、それが無理だからZOZOを売却したのか。

前澤友作(以下、前澤):高額品を買う際に、借金やローンをする方も多いと思いうが、ゼロが何個か違うだけで、それと一緒。使用用途は宇宙の渡航チケットや現代アートなどで、自分の信用の範囲、人に迷惑をかけない範囲で借金をしていた。宇宙渡航によって得る体験や人脈はかけがえのないものだし、現代アートは購入後価値が上がっており、得るものも多い。そうして作った借金は、アートなどの現物資産を売却して返せばいいだけ。借金のせいで首が回らなくなって、提携したというのは憶測にすぎない。

今回の前澤友作社長の退任の理由を要約すると・・・・

色々と前澤友作社長の退任の理由をお伝えしましたが、ここで一旦まとめてみましょう。

前澤友作社長の退任の理由を簡単に要約するとこうです。

自らの打ち出した戦略により取引先がどんどん撤退して、明らかに経営失敗という形になった。

取引先からの信頼を失って、それを大きく報道されて、しかもゾゾから撤退した取引先が有名ブランドやから困った事になった。(有名ブランドが撤退したといのは相当なイメージダウン)

それに加えて、ZOZOの開発したゾゾスーツの利用率が想定を下回つなど、PB事業が125億円の赤字を出してしまったこともかなりのダメージ。

そして、打つ手がなくなり、会社が潰れる前に自分が保有しとる株を売って、お金に変えた。

会社は売ったけど、その代わりに大金が手に入る。ということ。(株式売却すると言うことは最終手段でもあり、前澤社長はかなりの窮地に追い込まれていたことは想像できる)

これがかなりざっくりとですが、今回の前澤社長の退任の理由でしょう。

前澤社長はこの退任でいくら手元に残るの?

2400億円が手に入る?

では、気になるお金のこと。

今回、ヤフーは株式公開買い付けでZOZO発行済み株式の50.10%を上限に2,620円で買い付けると報道されています。買収額は最大で4,007億円にもなります。

その内、創業者の前澤氏は約36.76%の株式を保有しており、ZOZO株式全体の約3割にあたる、9,272万6,600株を売却することが発表されています。

単純計算で約2,429億4,000万円が前澤友作社長の売却額です。

前澤社長の元には約1300億円ほど入る?

そして、その約2400億円は丸々前澤友作社長の手元に残るわけではなく、返済するものがいくらかあります。

銀行には保有株の6割ほどを担保に入れていました。

6割というと1600億円になりますが、株を担保にお金を借りる時は、株の価値の5割くらいが上限ですので、約800億円借金していたと思われます。(借入時の株の時価と現在の時価にそんなに差はないのでそこの計算は省略)

つまり株の売却益2400億のうち銀行へ返すお金が800億です。

すると1600億円残りますが、前澤さん個人に入る際に20パーセントの税金がかかります(株の売却益による税金は一律約20パーで、半分が税金ではない)。

それを差し引くと、1280億円が前澤さんの口座に入ります。すごい金額ですよね。

また、株は全て売却する気はなく、6パーセントは残しておくようなので、買収後にヤフーが成長させたなら、配当金で年間何億か入り続けます。

ヤフーとしてはその6パーも全部買取りたいようなので、もしそれを売ると今ならさらに500億の値段がつき、税金を引いても400億円追加で前澤さんの口座に入金されます。(お…恐ろしい・・・)

この段階でも余裕でセミリタイヤできてしまいますね〜。

とはいえ、売り時を見極める「勘」は素晴らしい

今回の前澤友作社長について、ZOZOが経営不振で身売りした。

多くの人はそのように想像してしまいますが、実際のところ、経営不振まではなっていないが、前澤友作氏がある意味「行き詰った」。こういう表現の方が的確なのではないでしょうか。

これ以上爆発的に伸びることは無理と判断し、企業価値が高い内に次のステージにということでしょう。リストラや事業を縮小せず、高値で事業提携するあたりは流石としか言えません。

創業者が若くして会社を売却し、巨額の富を得る。

これは欧米流のサクセスストーリーです。
引退は若ければ若いほど良いとされています。前澤氏はそれを意識したのでしょう。

ZOZOは今売却しなければ、価値がどんどん下がります。
日本のように創業者がワンマンで長期にわたって君臨する時代は古くなったのかもしれません。

そう考えると、前澤友作社長の今回の会社売却は最後の最後に勘が冴え渡り、経営者としての手腕を存分に発揮したのではないでしょうか。

―社長を退任しようと思ったのはいつ頃?また、どういった理由で?

前澤:ズバリ9月に入ってから。先ほども話したが、今後ZOZOが成長していくために必要なものは何かを考えて辞任に至った。最初は続投のリクエストを受けていたが、そこは持ち前の直感で、このまま数年・数カ月いてもいいことはないと感じ、急きょ辞任することになった。

前澤友作は誰がなんと言おうと成功者である

前澤友作社長は、晩年の失敗について色々と言われていますが、一代でZOZOを築き上げたその手腕はへの評価は消えません。

また、創業時の会社というのはある意味社長の私物で独裁政権であるべき。
個人的にそう思いますし、そうじゃないと絶対にでかくならないでしょう。

だんだんと会社がでかくなるとその経営体制ではいろいろと問題が出てきます。
上場して会社法にのっとって会社はみんなのものにならなきゃいけない。その時に創業社長は退くのが筋。

今回の前澤社長の退任というのはこの当たり前の会社の論理を実行しただけの話。

下手に権力にしがみつくと会社が腐り、売るタイミングすら逃してしまったことでしょう。
前澤社長は後は数千億の個人資産を得て新たなチャレンジをすればいいだけのことですから。

この売却で前澤社長はオワッタとか言う人いますが、ZOZOで儲けるだけ儲けて、最後は売り捨てて、次のステップへ進んでいく。シナリオ通りといいますか、完全に成功者ではないでしょうか。

誰がなんと言おうが高い志を持って世の中を便利にした、極めて優れた起業家・企業家であることは間違いありません。

そして、何よりも、その過程で得た人脈は今後の前澤友作社長の人生において、最もかけがえのない財産ではないでしょうか。

次なる飛躍を期待しています。

昨日の夜、お礼の電話をしたら「あんなに笑顔と拍手の多い温かい会見は初めてだったよ。呼んでくれてありがとうね。(by 孫さん)」

尊敬する偉大な経営者であり友人(そう言ってもいいと本人承諾済みw)でもある孫さんと、昨日という大切な日にステージご一緒できたこと忘れません。

— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 13, 2019